2011年4月26日に開催されたKTMジャパンの「メディア向け製品発表会/試乗会」の会場から、モーターサイクル・ジャーナリスト佐川健太郎さんによる主要モデル・ショートインプレッションをお届けします。果たして、KTMの目指したオールラウンド・ツアラー、990 SM Tの乗り味とは…。
—以下、KTM 2011年モデルカタログより抜粋—
●パワフルなLC8 4ストロークVツインエンジン、電子制御ケイヒン・フューエルインジェクション(スロットルバルブ×2)、湿式多板クラッチ、6速ギアボックス。
●最高出力:116ps(85kW)、排ガス規制:Euro-3対応。
●堅牢なトレリスフレーム–パウダーコート、溶接クロームモリブデン鋼セクション、ブラック・アルミニウム・スウィングアーム。
●フロント/リア・フルアジャスタブル・サスペンション。
●ラジアルマウント・ブレンボ・モノブロック4ピストンキャリパー、フローティングディスク。
●スポーツとツーリングの双方に完璧にマッチするコンチネンタルタイヤ。
●フレームマウント・フェアリング–ウィンドシールド、一体型マルチファンクションコックピット。
●快適性を追求したステップトシート、ラゲージキャリアシステム、ハンドガード。
●最新鋭ABSシステム。
●新カラーリング–オレンジ、ブラック、ホワイト。
【長距離スーパーモト】
シュヴァルツヴァルト、アルデンヌ、ピレネー…。ヨーロッパには、世界屈指の山越えワインディングが存在する。しかしながら、このルートを楽しむライダーが少ないのはなぜだろう? 実はワインディングを攻めるのが問題なのではなく、そこに到達することが問題だったのだ。
KTMの答えは単純明快。軽量Vツインスーパーモトをベースに、余裕あるパワーと長距離ツーリングを可能にするアイテムを追加すればいい。空力特性に優れるフレームマウント・フェアリング、タンデム走行にも、大きな荷物にも十分に対応するステップトシート、大型燃料タンク、ラゲージキャリアシステムのすべてを採用する990 SM Tは、スポーティングDNAと耐久性、そして快適性を高次元でバランスする希有なツアラーとなった。2009年のデビュー以来、爆発的人気を継続している、というのも頷けるだろう。
2011年、最新鋭のボッシュABSを標準装備、さらにサスペンションチューンを見直して、いっそうのレベルアップが図られている。