2011年4月26日に開催されたKTMジャパンの「メディア向け製品発表会/試乗会」の会場から、モーターサイクル・ジャーナリスト佐川健太郎さんによる主要モデル・ショートインプレッションをお届けします。果たして、70馬力を発生する強力な単気筒エンジンと軽量・高剛性な車体の組み合わせは、サーキットで如何なるパフォーマンスを発揮してくれるのでしょうか…。
—以下、KTM 2011年モデルカタログより抜粋—
●ウルトラダイナミックなパフォーマンスを実現する4ストローク単気筒エンジン、電子制御フューエルインジェクション、バランサーシャフト、6速ギアボックス。
●最高出力:70ps(51.5kW)、排ガス規制:Euro-3対応。
●APTCアンチホッピング・クラッチ。
●スチールトレリスフレーム+ボルトオン・アルミニウム・リアサブフレーム、鋳造アルミニウム・スウィングアーム。
●φ48mm WPフルアジャスタブル倒立フォーク–TiAlNコート・ロアフォークチューブ。
●WPフルアジャスタブル・モノショック+プロレバー・リンケージシステム。
●ラジアルマウント・ブレンボ・4ピストンブレーキシステム。
【世界最強のシングル]
70psの単気筒エンジン–ついこの間まで、このレベルのパフォーマンスはメタノール仕様のスピードウェイシングルに限定されていた。KTMが昨年、ストリートリーガル–道路交通法に準拠したモデル–な大量生産モデル発表の際、この数字を口にした時は業界内外に衝撃が走ったことは言うまでもなかろう。
ストロークが4.5mm延長されたクランクシャフトにより、“R”エンジンの排気量は36ccアップ。圧縮比は12.5:1まで引き上げられる一方、超軽量鍛造ピストンを採用して、圧倒的な爆発力に対応する。690 DUKE Rは、全回転域でトルクの向上を達成し、驚異的なパフォーマンスを実現。また、必要に応じて、スイッチの切り替えひとつでスムーズネス重視のマッピングも選択できる。
グラマラスなWP倒立フォークのロアチューブにTiAlNコートを施し、レスポンスをさらに向上させている。リアのWPモノショックは、縮み側減衰力特性を高速、低速に分離して調整可能。ラジアルマウントのブレンボ4ピストンキャリパーとφ320mm大径フロントディスクが、コントローラブルながら強烈なストッピングパワーを提供する。
クラッシーなフロントカーボンフェンダーの他、ブラックアウトされたコンポーネントも随所に装着され、さらにテールライトはスモーク仕様とするなど、鮮やかなオレンジにコーティングされたフレーム-“- R”仕様全車に共通–とのビビッドなコントラストを演出する。真のシングルファンのための“チョイ悪”モデルは、こうして完成する。