2011年4月26日に開催されたKTMジャパンの「メディア向け製品発表会/試乗会」の会場から、モーターサイクル・ジャーナリスト佐川健太郎さんによる主要モデル・ショートインプレッションをお届けします。KTMが開発したアドベンチャーモデル「900 ADVENTURE」。19インチなどのホイールを採用するビッグオフが増殖するなか、頑なに21インチホイールにこだわり続ける数少ない本格派は2011年モデルとしてどのような進化を遂げたのでしょうか。
—以下、KTM 2011年モデルカタログより抜粋—
– パワフルなLC8 4ストローク、Vツイン、電子制御フューエルインジェクション、湿式多板クラッチ、バランサーシャフト、6速ギアボックス。
– 最高出力:106ps(78kW)、最大トルク:100Nm、排ガス規制:Euro-3対応。
– ABS(キャンセル可能)。
– デュアルチューブ・エグゾーストシステム+触媒コンバーター。
– トレリスフレーム、エンジンを荷重支持構造として使用。
– WPフロント/リア・フルアジャスタブル・サスペンション。
– スウィングアーム、リアサブフレーム、フットレストマウント、キャリパーその他をブラックコート。
– 一体型マルチファンクションコックピット。
– ロック付収納コンパートメント(燃料タンク間)。
– イモビライザーおよびハザードウォーニングランプ。
– 12Vアクセサリーソケット。
– 印象的なペイントワーク。
【世界の果てまで】
KTMは、2003年、990 ADVENTUREシリーズをデビューさせ、モダンなロングツーリング・デュアルスポーツモーターサイクルのビジョンを提案した。クロスカントリーラリーのDNAを持つ990 ADVENTUREに、走破不可能な路面はない。ラフロードでも、素早い切り返しが連続するワインディングロードでも、あるいは地平線まで砂丘しか見えない砂漠でも、連綿と進化を続ける990 ADVENTUREであれば、案ずることはない。堅牢なトレリスフレーム、ロングストロークのWPアジャスタブル・サスペンション、パワフルなブレーキシステムなどの厳選アイテムは、長距離ツーリングはもとより、ごく短距離の市街地走行でも存分に真価を発揮する。
標準装備の2チャンネルABSは、精妙確実なブレーキ制御をもたらし、モーターサイクルの安全性に新たな基準を打ち立てる。オフロードライダーのために、ABSキャンセル機構も設けられている。
106psの最高出力と100Nmの最大トルクを発生する75°Vツインユニットは、圧倒的なパワー特性とともにマイレージを貪る。パワフルなエンジン、軽量性、アジリティ–俊敏性–が相まって、990 ADVENTUREに特有のライディングフィールをもたらす。さらに、収納コンパートメント、イモビライザー、ハザードウォーニングランプ、12Vアクセサリーソケットなど、実用装備の充実ぶりも見逃せない。