MT-09は従順な暴れ馬! ヤマハ・バイク/スクーター試乗レビュー・ワインディング編 YAMAHA NEW MT09 (with English subtitles)

今年、2021年にフルモデルチェンジ、新型となって登場したMT-09に試乗したのでそのレビューをお送りします。官能的な音と低回転域からガツッと出てくるトルク、そして何よりも全域にわたって感じられるザラザラ感・・・。「2気筒と4気筒のイイとこどり」なんて言われる直列3気筒エンジンですが、むしろ3気筒でなければ出せない独特の「味」こそが魅力だと感じました。また、このモデルでは電子制御が飛躍的に進化、スポーティなライディングを心ゆくまで楽しめる安心感を担保しているのが大きな特長です。詳しくは映像本編にて。
~以下、ヤマハ発動機のウェブサイトより抜粋~
【新設計・水冷・DOHC・直列3気筒・フューエルインジェクション搭載エンジン】
More Torque & Agile+Feelを具現化するため、新開発した888cm3・水冷・DOHC・直列3気筒・4バルブ・ダウンドラフト吸気・フューエルインジェクション搭載エンジン。78.0mm×62.0mmのボア・ストローク、11.5:1の圧縮比から優れたトルク・出力特性を発揮する。またコンパクトな燃焼室により素早い燃焼で高いトルクを引き出し、最大トルクは93N・m/7,000r/min、最高出力は88kW/10,000r/minを発揮。さらにピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフト、クランクケースなど主要パーツのほとんどを新たに設計。とりわけ燃焼改善に伴うAIシステムの廃止や、軽量ピストンなどにより、エンジン本体だけで従来モデルより300gの軽量化を達成している。加えて放熱性に優れるダイレクトメッキシリンダー、ロス馬力を低減するオフセットシリンダーなども従来モデル同様に採用。この燃焼改善と軽量化により、燃費改善も合わせて実現している。
【優れたトルク・出力特性を支える燃料供給系】
シリンダーヘッド直付のインジェクターを、スロットルバルブ側に取付け位置を変更。噴射はバルブ傘裏方向とし、燃料霧化促進とポートへの燃料粒子付着量を抑え、優れた燃焼効率を達成。またスロットルバルブの駆動には、YCC-T(電子制御スロットル)を採用している。
【高トルクエンジンに対応したアシスト&スリッパー®クラッチ】
クラッチレバーの操作荷重低減と、減速時の車体挙動の緩和を図るアシスト&スリッパー®(A&S®)クラッチを搭載。新素材のフリクションプレートを採用し、トルク伝達率を向上。同時にクラッチのカム角を変更することで、クラッチスプリングの荷重を低減。エンジンの高トルク化を実現しながらも、クラッチレバーの操作荷重を低減している。
【心地よく官能的な音を追求した“サウンドデザイン】
欧州のワインディングを実際に走り、“人機官能”を体現できる次代のサウンドデザインを模索。その結果“排気音”“吸気音”の質はドライバビリティ、つまり“乗り味”に寄与する重要な因子だということがわかった。より心地よく官能的な排気音を追求するため、低速コーナーからの立ち上がり時などのシーンを中心に、トルク感を演出できる新しいカタチとして1.5段膨張室と左右シンメトリーのテールパイプを採用。吸気音は、加速感の向上を狙いに3本の吸気ダクトを開発。3つの共鳴の組み合わせにより中・高回転領域でのサウンドを強調、エンジン回転が上昇するにつれて音圧が高まり、気持ちの良い加速を演出している。
【徹底したマスの集中によりトルク感を視覚化】
トルク感・加速感をスタイリングで表現するため、超凝縮のマス集中化を徹底。ヘッドランプやサイレンサーなど、各パーツ類をエンジン中心方向に大胆に寄せ、オーバーハングをなるべくミニマムにして引き締まった強い塊のイメージを演出。これらの凝縮感と、エンジンに採用した新色「クリスタルグラファイト」によって、車体の核であるエンジンを中心とした超凝縮マスを表現している。
【軽量CFアルミダイキャスト製の新フレーム】
新設計軽量アルミ製フレームを採用。フレームとリアフレーム、リアアーム合算で従来モデル比約2.3kgの軽量化を達成、アジャイルな走りをさらに磨き上げた。直進安定性と操縦性を両立させるために、縦・横・捩り剛性のバランスを最適化し、特に横剛性は従来モデル比で約50%アップ、直進安定性に貢献している。また新設計リアアームを採用。アルミパネルを溶接したボックス構造により、高剛性、軽量化を両立している。
【インナーチューブ径41mm・倒立式フロントサスペンション&リンク式リアサスペンション
フロントサスペンション】
インナーチューブ径41mmの倒立式フロントサスペンションを採用。リンク方式を変更したリアサスペンションとともにセッティングを最適化、ピッチ方向の動きをやや抑えながらも、サスペンションの動きを感じやすい乗り味を実現した。前後ともにプリロードと伸側減衰力の調整機能付で、フロントは圧側減衰力調整機能も装備。MT-09SPは専用のスペシャル仕様・KYB製フロントサスペンションを採用。左右それぞれ伸圧減衰調整機構を備え、圧側は高速・低速を個別に変更でき、より細かいセッティングが可能。またインナーチューブには摺動性に優れるDLCコーティングを施し、外観品質も向上。リアには専用開発のオーリンズ製フルアジャスタブルサスペンションを採用している。
【車両挙動のきめ細かな制御を支える「IMU」】
6軸の「IMU」(Inertial Measurement Unit)を新開発して搭載。「3軸角速度センサー」と「3軸加速度センサー」を採用することで6軸を検出、小型軽量化を実現した。またIMUの情報を受け取り車両側にフィードバックするECUには、3種の制御システム「バンク角も反映した新型トラクションコントロールシステム」「旋回性能をサポートするSCS(スライドコントロールシステム)」「前輪の浮き上がり傾向時にライダーを支援するLIF(リフトコントロールシステム)」を搭載。個々の制御は相互に連動し、ライダーが運転操作に集中できるよう支援、マシンのポテンシャルを効率よく引き出せる。また各システムとも、介入レベル調整、及びON・OFF設定が可能となっている。さらに、直進時はもちろんコーナーでの制動時にも対応するBC(ブレーキコントロール)も新たに採用した。

【関連ページ】
www.yamaha-motor.co.jp/mc/lineup/mt-09/